ビールを知る&体験する
PAIRING RECIPE
日本で恋しくなる、デュベルでつくる実家のカルボナード(ストーフフレース)
みなさん、こんにちは! 同僚のヨーリスの最愛のパートナーである「パン」に宛てた情熱的なコラムにとてもインスパイアされちゃいまして。
私も「あ〜、日本で手軽に食べられたらいいのになぁ…」と日々恋い焦がれている、故郷ベルギーのソウルフードについて熱く語らせていただくことにしました。
その名も「カルボナード」! (母国語であるフラマン語では「ストーフフレース(Stoofvlees)」と呼びます)。 ベルギービールでじっくりコトコト煮込んだ、牛肉の煮込み料理です。
「日本のベルギー料理店でも食べられるのでは?」と思ったあなたへ
「いやいや、日本のベルギービールイベント、ベルギー料理店でよく見るよ?」と思ったそこのあなた。大事な話をさせてください。
カルボナードは、日本でいう「肉じゃが」や「カレー」のようなもの。地域や家庭によって、100世帯あれば100通りのレシピが存在する究極のおふくろの味なんです。
日本で見かけるものの多くは、甘みと深いコク、そしてお肉の旨味を引き出すために、ベルギーのダークビールが使われています。確かに、日本のベルギービールウィークエンドや有名レストランで食べるカルボナードは、文句なしにほっぺが落ちるほど美味しい。それは私も認めます。
でもね……。 私が心の底から愛してやまない、あの実家の味は「ダークビール」を使いません。
使うのは、ゴールデン・エールの「デュベル」です!
我が家は代々「生粋のデュベル愛好家」
ここで少し、我が家のバックグラウンドを。
私の一族(もちろん私も含む)は、自他ともに認める筋金入りの「デュベル愛好家」。 誕生日パーティーや親戚の集まりともなれば、ケース単位のデュベルが当たり前のように山積みされています。
家にあるもの——つまりデュベルを使ってカルボナードを作ります。
グルメなこだわりを持つ方々からすると、デュベルのようなビールでカルボナードを作るなんて、少し驚かれるかもしれません。しかし、「カルボナードはダークビールで作るもの」と決めてしまうのは、お好み焼きは大阪のものだけが本物で、広島の美味しいお好み焼きを認めないと言うようなものです。
私が愛してやまないこのバージョンのカルボナードは、残念ながら日本のベルギーレストランやイベントでは食べることができません。
でも、ラッキーなことに、これはおうちで簡単に作れます。
前置きが長くなりましたが、我が家秘伝のレシピをここに大公開します!
材料(4人分)
- 牛塊肉:500g
※じっくり煮込んで柔らかくなる部位がベストです。ローストビーフ用の赤身肉は硬くなるので不向き。手に入りにくければ、カレー用の角切り肉や、なんなら豚のブロック肉でも美味しく作れます! - デュベル(Duvel):2本(330ml×2)
- バター(炒め用):適量
- 玉ねぎ:2個
- ローリエ(ベイリーフ):2枚
- 食パン:2枚(8枚切りがおすすめ)
- 粒マスタード:適量(パンに塗る用)
- 塩
- コショウ
カルボナードは、完成までに少し時間はかかりますが、工程自体はびっくりするほどシンプルで、ほっぺたが落ちるほど美味しいです。
今週末、悪魔のビール「デュベル」を使った魅惑のカルボナードに挑戦してみませんか?
以上、デュベルをこよなく愛する一家で育ったベルギー人からの愛をこめて。
作り方
- 💡 作る前の大事なアドバイス この料理は調理時間が長いです。作り始める前に、少なくとも「2時間半以上は家から一歩も出ないぞ」という強い意志と時間を用意してください。
- 下ごしらえ: 玉ねぎは皮をむき、大きめのざく切りにします。大きめの煮込み鍋を用意しておきましょう。牛肉はまな板の上で、すべての面にしっかり塩・コショウを振っておきます。
- 肉を焼く: 中フライパンを強火にかけ、バターを溶かします。肉を一気に入れると温度が下がってしまうので、3〜4回に分けて少量ずつ、表面に美味しそうな焼き色をつけていきます。焼き上がった肉から、用意しておいた煮込み鍋へと次々移していきましょう。
- フライパンの焦げこそ宝物: 肉をすべて焼き終えたら、フライパンの火を少し弱め、再び追いバターを投入。そこで玉ねぎを炒めます。玉ねぎが透き通ってきたら、いよいよ主役のデュベルをたっぷり注ぎ、火を再び強めます。フライパンの底にくっついている「肉の焦げ付き(これこそが最高の旨味成分!)」を木べらなどで優しくこすり落としながら、ビールと混ぜ合わせます。少し沸騰させてアルコール分を飛ばしたら、この玉ねぎ&ビール混合液を、肉の入った煮込み鍋の上から一気に注ぎ込みます。 ※ここで煮込み鍋を弱火にかけます(強火だと肉が焦げるので注意!)。
- パンのおとし蓋: 食パン2枚の両面に、これでもかと粒マスタードをたっぷり塗ります。このマスタードまみれのパンを、煮込み鍋の肉の一番上に「蓋」をするようにのせます。(これがソースにとろみとコクをつける秘訣です!)。さらにローリエ2枚、塩、コショウを加えます。
- あとは待つだけ: 鍋にぴったり蓋をして、最低でも2時間半、超弱火でコトコト煮込みます。長く煮込めば煮込むほど、お肉はホロホロに柔らかくなり、パンが溶けてソースに最高の「とろみ」とコクが生まれます。


